ここは、DOZZLE田中が、占い師生活十周年を記念して始めた、タロット的な芸術活動を展示する場所です。タロット・カードをイメージして、それを素朴な日常の中に息づく詩にして、永らく書きためていたものを展示していこう、と思います。興味のあられる方は、私のタロット詩集も販売しております。メールにてお知らせください。
]V DEATH
【生きる、ということ】
冷たい夜がやってきて、凍える体を温めるのは、酒じゃなく、
懐かしいあの記憶だけだと、ふと気付いたんだ。
大切だったんだ。命をかけても守りたかった。
「このことの為なら、死ねる。」、それは嘘では無かった、と思う。
夜がみんなに平等に降るように、終わりは、少しずつやってきていた。
「もう死にたい。すべて終わったんだ。もう、このまま・・・・・」
死を願ったその時、闇をかける蹄の音が、
このことが終わることを告げにきた。
あの優しい天使が、哀しい鎌を、俺たちに振り下ろすとき、
俺はみたんだ。
初めて出会った時の気持ちを。生まれたときにみた光を。
守るために失った気持ちを。生きるために見失った夢を。
俺はみたんだ。
本当の、気持ちを。
「ああ、俺は」
「まだ、死ねない。」
目が覚めると、もうあの天使はどこにもおらず、朝になっていた。
「ああ、あのまま寝ちまったのか。」
気が付くと、俺は泣いていた。
「朝日って、こんなに美しかったっけ。」
死に神がはにかんだ、気がした。
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